陽平コラム⑪ サッカーアラカルト.1
ヨーロッパのサッカークラブ
背広姿の人が街中に多くなってきました。
本格的な秋は後一歩というところまで来ているようです。
日本から遠く離れたヨーロッパでは、各国のリーグやUEFAチャンピオンズリーグ(名前の通りヨーロッパ1のクラブチームを決める大会です)が開幕しました。
ワールドカップ後のシーズンは荒れやすいと言います。
優勝候補となるビッグクラブに所属するほとんどの選手は、母国での代表選手です。
前のシーズンの疲れを引きずった状態でワールドカップに臨み、ストレスと疲れをたっぷりと溜め込んで次のシーズンへと向かいます。
優勝候補の脱落が起こりやすくなる原因です。
しかし、昨今のビッグクラブには2チーム分ぐらい代表選手やそれに準ずる優秀な選手、期待の若手等がいるので、番狂わせは起きにくい状況です。
コンディションにより選手を使い分けるのが、常識になっています。
ビッグクラブというと曖昧な言い方になりますが、しっかりとした財政基盤を持っているチームがビッグクラブです。
要はお金をたくさん持っているチームで、多くの年棒や移籍金によって、有名、優秀な選手を囲い込みます。
クラブ自体が健全な経営をしている例もありますが、大金持ちのパトロンオーナーや大企業がバックについているというのが多いようです。
インテルミラノ(イタリア)のオーナーは石油王ですし、そのライバルチームACミラン(イタリア)のオーナーはメディア王にして前イタリア首相です。
現在、ビッグクラブに該当するチームは、バルセロナ、レアル・マドリード(以上スペイン)、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リバプール(以上イングランド)、ACミラン、インテルミラノ(以上イタリア)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の9チームになります。
これらのチームはあらゆるコンペティションで優勝を期待されます。
不甲斐ない戦いをすると、すぐにファンやマス・メディアから批判されます。
このプレッシャーは日本のどんなスポーツにも見られないもので、これが選手を精神的に大きく鍛えることになります。
ヨーロッパの国の代表チームが、ワールドカップ等の大舞台で安定した成績を残している理由もここら辺にありそうです。
ビッグクラブ相手に一泡吹かせることが出来るチームは無数ありますが、最終的な成績でビッグクラブの上にいることの出来るチームはほとんどありません。
それだけこの9チームとその他のクラブとの差は大きいです。
では、ヨーロッパのクラブシーンはマンネリ化しているかと言うと、そんなことは全然ありません。
ビッグクラブはその立場の維持、面子にかけて、それ以外のクラブも上位に食い込もうと、それぞれに切磋琢磨しています。
少しでも手を抜けば下のグループに吸収されるという健全な競争があります。
この国境を越えた競争こそが、ヨーロッパをサッカーの世界の中心にしている源です。
サッカー文化の中心はヨーロッパ。
これは経済的な問題だけが理由ではありません。
同国内だけではないライバル関係や多数の上下関係が縦横に張り巡らされていて、どのチームもより良い選手、より効果的な戦術を追及しています。
各クラブのスカウト網は、南米はもとよりアフリカ、アジア等世界中に及びます。
監督たちは独自の理論を持ちつつ、日々その改良を試みています。
日本のサッカーは10年前と比べ飛躍的に進歩しましたが、先を行くヨーロッパはそれ以上のスピードで走っています。
ほとんど独走状態で。