キリン社会保険労務士事務所 コラム

超短編シリーズ⑥「世界のニュースから」その1

昨年度の男児名の人気ナンバーワンは「イチロー」  シアトルから
昨年度出生した子供の名前で、一番多かった名前が「イチロー」である。
しかもシアトルでの話しである。
アメリカ国のワシントン州のシアトル市のシアトルでの話である。
海の向こうで、いくらシアトル・マリナーズのイチローが人気があると聞いていても、何もそこまでというか、本当の話なのか、と疑ってしまいそうな話である。
現在、人口約55万人のシアトルの中で、日系人は約1万人しかいないから、いくら一所懸命子供をつくったところで、たかが知れている。
75%を誇る白人の多くが、大切なわが子の名前に「イチロー」という名前をつけたことになる。
そのうち、見るからに白人の坊やが、「イチロー・ワイズミューラー」とか「イチロー・メイヤー」とかそんな名前で町を歩きまわるのである。
中にはもちろん、アジア系や黒人もいるであろうから、もうイチローという名前は「ジョン」とか「マイク」とか「ハリー」とかと同じように「世界共通の名前」である。
そのうち、日本人の「いちろう」君が、日本人の同級生に「なんだ、アメリカ人みたいな名前だな」とか言われて苛められる日が来るかも知れない。

人気ブランド「コム サ デ モード」がファッションの本場パリに出店   パリから
コム サ デ モードが遂に念願のパリに店を出した。
がんばってるんだ。
僕も今使っている鞄がコムサのだから、人ごととは思えず、なんだか嬉しい。
さて、オープニング・パーティが何しろ格好よかった。
店の前に虚無僧(こむそう)を10人立たせて、お客さんが来る度に、虚無僧が10人全員で「どーも」「どーも」とおじぎをしたんだって。
「虚無僧でどーも」って日本人にしかわからない駄洒落にもかかわらず、もう見物客で大人気。変わったもの好き、新しいもの好きなパリっ子に大うけして、「店内にどうして、外のモデルの着ている格好いい服がないのか」というクレームがやたらと多くて困ったらしい。
確かに日本人の僕から見れば虚無僧の格好は相当カッコイイけど、奴らにも相当かっこよく見えたらしい。
今回のパーティ企画担当者にしてみれば、「教養のあるパリの方々には、きっとこの駄洒落が分かってもらえると信じていました。でもまさか、納豆も食べられないパリっ子に、虚無僧の格好よさがわかるとは思いもよりませんでした。計算外でした」ということらしいけど、反対じゃないのかね。

今、雛人形が大人気   ロンドンから
これは「人形の久月」の企画勝ち。
家柄を重んじる英国の貴族は、たとえば門とかお墓とかはもちろん、スプーンとかコーヒーカップとか、何にでも家紋をつけたがる癖がある。それに目をつけた「人形の久月」は、ほんとに賢かった。
「人形にお宅の家紋をお入れいたします。日本にも古くから家紋がありますから、人形に家紋を入れるのは、ほとんど世界の常識です(?)」と言って、金持ちの英国貴族達に、目の玉の飛び出しそうな高額の雛人形をばんばん売り歩いたんだ。
そしていつの間にか、雛人形の人気は貴族だけでなく、一般大衆家庭にも広がって、女の子がいようがいまいがお構いなしに買われているという。
テレビコマーシャルもいかしていた。
ビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」の曲が流れるディスコでバービー人形が踊りまくっているその横を、しずしずと雛人形達がお行儀よく通り過ぎて行くっていう、ただそれだけなんだけど、静と動の対比が効果的に生かされていて、雛人形の高級感がよく出ていた。
歌の「カモン、カモン」というところで家紋がアップになるところを見て「『家紋』という言葉も『カラオケ』と同じように、いつの間にか世界共通語になってたんだなぁ」とつくづく感心した。

超短編シリーズはフィクションです。念のため

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