キリン社会保険労務士事務所 コラム

正しい諺(ことわざ)教室①

今回は、特によく間違って使われている諺を取り上げてみました。もしかしたら、あなたも間違って使っていませんか。

アクィナスは読みにくいな(間違い)

トマス・アクィナス(1225~1274)イタリアの神学者・哲学者
中世のスコラ哲学の大成者である。彼の著した「神学大全」は、キリスト教に慣れ親しんでいない日本人には、すこぶる難解な大著であり、数多くの学者を悩ませてきた。
もともと誰が言った言葉か不明であるが、この「アクィナスは読みにくな」という愚痴が、いつの間にか広く世間で使われるようになった。
「自分の手に負えない難しい問題である」という意味で使われる。

秋茄子は嫁に食わすな が正しい。
いろいろな意味で使われるが、正しくは「茄子は体を冷やすので、大事な嫁の体に良くない」という意味。

銭湯多くして船村徹(間違い)

船村 徹(1932~)栃木県塩谷町出身の作曲家
日本の歌謡曲の歴史に名を残す偉大な作曲家。「王将」「東京だヨおッ母さん」等、数多くのヒット曲がある。
1950年代から60年代の日本の高度成長時代に、人口の大都市への一曲集中が急激に進んだが、庶民の住宅事情はそのスピードに追いつかなかった。
特に自宅に風呂を持つ家庭はまだまだ限られており、庶民のほとんどは銭湯通いだった。しかし、その銭湯の数も十分とは言えず、わざわざ電車やバスに乗って通わなければならない者も少なくなかった。
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍していた作曲家船村徹に、藁をもすがる思いで「銭湯を多くして!」と切実な願いを訴えるファンも多かったという。
「場違いな頼みごとをすること」という意味で使われる。

船頭多くして船山に登る が正しい。
「指図する人が多過ぎると、かえって統制が取れず、とんでもない方向に物事が進んで行くものだ」という意味。

牛に轢かれて全校血祭り(間違い)

戦前の農家は、大抵牛や馬を何頭か飼っていた。特に牛はおとなしく従順で、力仕事に適していたので、たいへん重宝がられた。
このように、日本では牛と言えば、気の優しい力持ち、というイメージが強いが、国によっては荒々しい獰猛な動物の代名詞になっている。
昔スペインで、気の荒い猛牛が群れをなして小学校を襲ったという大事件があった。
この事件で数多くの子供たちが牛に轢かれて亡くなった。
人々は「牛どもが野蛮な闘牛を続ける人間に対して、復讐に立ち上がったに違いない。またどこかの子供たちが血祭りにあげられると考えただけでも恐ろしい」と眠れない日々が続いた。
「動物の命を粗末にすると、きっと災いがある」という意味で使われる。

牛に引かれて善光寺参り が正しい。
「思いもかけないことが縁で、また自分自身の発案でなくて、偶然良い結果に導かれること」という意味。

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