この映画を観る④
K・ヘップバーンとH・ボガートの巻
アメリカ映画協会が98年の6月に発表した「この100年、この100本」というのがある。
これはようするにアメリカの映画人が選んだ、アメリカ映画ベスト100である。
それによると、とりあえずベスト10は下のようであった
1. 市民ケーン(1941年)
2. カサブランカ(1942年)
3. ゴッドファーザー(1972年)
4. 風と共に去りぬ(1939年)
5. アラビアのロレンス(1962年)
6. 小津の魔法使(1939年)
7. 卒業(1967年)
8. 波止場(1954年)
9. シンドラーのリスト(1993年)
10. 雨に唄えば(1952年)
気がつかれたとは思うが、6位の「小津の魔法使」は、正確には「オズの魔法使」である。
僕は、20年くらい前に同じような発表をテレビでやっていたのを憶えているが、その時のベスト3は下のとおり。
1. 風と共に去りぬ
2. 市民ケーン
3. カサブランカ
残念ながら4位以下ははっきりと憶えていない。
たしか「アラビアのロレンス」「小津の魔法使い(くどいけど正しくはオズ)」「ゴッド・ファーザー」はベストテンに入っていたと思う。
さて、「市民ケーン」に関しては、世界中の映画人が選ぶベスト映画でも第1位になっているから文句の付けようがない。
映画の横綱だ。まだ観ていないとは言わせない。
ところで、このアメリカ映画ベスト100は「1996年までに製作された映画」が対象だったため、かの「タイタニック(1997年)」は除外されている。
したがって、今後同じような投票をやれば、当然結果は変わるだろう。
さて、このアメリカ映画協会は「アメリカの最も偉大な俳優50人」というのも発表している。こちらの方も見てみよう。(ただし、ベスト10まで。)
女優
1. キャサリン・ヘプバーン
2. ベティ・デイビス
3. オードリー・ヘプバーン
4. イングリッド・バーグマン
5. グレタ・ガルボ
6. マリリン・モンロー
7. エリザベス・テイラー
8. ジュディ・ガーランド
9. マレーネ・ディートリヒ
10. ジョーン・クロフォード
男優
1. ハンフリー・ボガート
2. ケーリー・グラント
3. ジェームズ・スチュアート
4. マーロン・ブランド
5. フレッド・アステア
6. ヘンリー・フォンダ
7. クラーク・ゲーブル
8. ジェームズ・ギャグニー
9. スペンサー・トレーシー
10. チャールズ・チャップリン
なんか変だと思われたかもしれないが、この選ばれた俳優にも条件があって、①1949年以前にデビューした者、②1950年以降にデビューした者ですでに亡くなっている者、のどちらかの中から選ばれている。
つくづくアメリカって国は凄いと思う。
同じような条件で「日本の俳優ベスト50」なんてやっても、きっと「名前だけは聞いたことある」みたいな人ばっかりになりそうだもの。
その点、アメリカの俳優は古い人にも関わらず、一応映画で観ている方達ばかり。
ボガートなんて、1800年代生まれの人だよ。生きてりゃ、104歳か。
キャサリン・ヘプバーンは「演技の女王」と呼ばれた天才。
アカデミー主演女優賞は史上最多の4回も貰っている。
もともとが舞台女優だから、そんなにたくさん映画に出ているわけじゃないのに、ノミネートが12回もある。
今で言えばゴルフのタイガー・ウッズのような飛び抜けた存在だったわけだ。
美人には違いないけど、どちらかというと日本人受けしないタイプだったのか、日本ではアメリカほど人気は高くなかったようだ。
ジョージ・キューカーという女性を扱うのが上手な監督の作品にたくさんでている。
有名なところでは「若草物語」とか。
あとデビッド・リーン監督の「旅情」も有名だし、男優9位のスペンサー・トレーシーとは9本も競演しているから、そのうちの1本くらいは観ておきたい。
1907年生まれというから、今年で96歳か。
さて、対する「王様」は、我らがハンフリー・ボガート様だ。
「ダンディ」の代名詞。
生きてりゃ104歳。
ボギーは、生前ももちろん人気が高かったけれど、当時のドル箱スターと言えばクラーク・ゲーブルとゲーリー・クーパー(11位)が双璧だったから、むしろ死んでからさらに株が上がったと言っていいだろう。
「カサブランカ」はもちろんだが、ハワード・ホークス監督(「三つ数えろ」等)とジョン・ヒューストン監督(「マルタの鷹」等)の作品は是非観ておきたい。
この女王様と王様の競演作品があるので必ず観ておこう。
ジョン・ヒューストン監督の「アフリカの女王」だ。
ヘプバーンとボギーの両天才の演技が楽しめる「一粒で2度おいしい」みたいな作品だ。